茨城県東海村を拠点に東海村・那珂市・大洗町に4店舗ある、ねもと薬局グループです。心に届く医療をモットーとし、患者さまと寄り添う在宅医療に力を入れた薬局を目指しています。栄養士による栄養指導も実施しており、ケアマネも常駐している薬局です。
今回はこちらの薬局で正社員として働いている、廣瀬大介さんと渡邉一弘さんにインタビューをさせていただきました。
【プロフィール】
廣瀬 大介さん(28歳/男性)
昭和大学薬学部を卒業して新卒でねもと薬局に入社。
現在は4年目で「あなたに薬の説明を聞きたい」と思って頂けるような薬剤師を目指し、日々の業務に励んでいる。
渡邉 一弘さん(35歳/男性)
北陸大学薬学部を卒業後、大手ドラッグストアに勤務。
在宅医療を含め、薬剤師として様々なことにチャレンジをしたいと思い、ねもと薬局に転職し、現在6年目。
「薬局内で起こるすべてのことに対して、他人事だと思わない」ように心がけ、業務に励んでいる。
まずはどんな仕事をしているか聞かせていただけますか
<廣瀬>
外来業務と在宅業務を並行して行っています。
1日の仕事の流れは、その日によって違いますので何とも言えないですね。サービス付き高齢者向け住宅と特別用語老人ホームの薬の準備もします。そのほか混注業務を行うこともあります。
<渡邉>
ほとんど廣瀬さんと同様ですね。外来業務と施設の在宅業務、また、薬の発注や色々な管理業務を行なっています。
それでは今の仕事で特に好きなことと嫌いなことはなんでしょうか?
<廣瀬>
好きな仕事は患者さん対応ですね。患者さん対応は、うまくいくこともあればいかないこともあります。患者さん一人一人によって接し方を変える必要があるので、私の投薬がうまくいったかどうかは結果を見るまでわかりません。ですが、「わからないから面白い」のが患者さん対応だと思っています。
また、患者さんの「ありがとう」の笑顔を見た時は自分の仕事が正しかったと感じます。その笑顔を見ているのが楽しいです。
嫌いなことは麻薬の年間届などの書類関係ですね笑。
書類関係はやって当たり前、出来て当たり前ですからやりがいを感じづらいんです。
<渡邉>
好きな仕事は体を動かす仕事です。具体的に言いますと、ピッキングや在宅業務ですね。 逆に監査や報告書の作成などの、じっとしている仕事は苦手なんです。じっとしているよりは身体を動かしておきたいと思っていますので笑。
なぜ「ねもと薬局」に入社を決めたのですか?
<廣瀬>
私は新卒で「ねもと薬局」に入りましたが、地域で在宅医療をしっかりとやりたかったんです。冷静に考えれば、色々と他の会社を見てみてもよかったかもしれませんが、入ってみて思ったことは、お世辞抜きでここまで満足度の高い職場だと思っていませんでした。本当に色々なことにチャレンジできるのがとても新鮮で満足しています。
<渡邉>
前の会社では1人薬剤師が多かったんです。一人薬剤師ですとどうしても業務に限界があります。そんな毎日の中で転職を考えるようになっていたところ、自分は在宅業務をやりたいと思いました。そして転職活動をしていくなかで、「地域で在宅業務を行なっているねもと薬局」の話を聞き、入社を決意しました。 勤務地については特に気にしてはいませんでしたね。私の出身は長野県なのですが、前の会社は茨城県の南近辺で仕事をしていましたので。
入社前と後でギャップはありましたか?
<廣瀬>
普通の調剤業務に加えて、在宅業務を行うことは大変だとは思っていましたが、実際ここまで大変だとは正直思っていませんでした笑。
調剤薬局はどこも実習をやるかと思いますが、実習と実務は全然違います。また大手と中小の違いの話になりますが、大手は3ヶ月ほど研修がありますが、ねもと薬局は実践形式です。大変なことも多いですが、早い段階で現場の大変さを実践形式で学べることは自身の成長に大きく繋がります。
予想外のこともありますし、その中で学べる実践ならではの苦労を経験することもできます。
<渡邉>
仕事上のお話では在宅業務をやりたくて入社したため、大きなギャップはありませんでした。
それ以外でお話をするならば、会社の規模感的に上層部に話が行きやすいと思いましたね。 大きな会社では自分の考えを上層部に伝えるのは難しいですが、この会社であれば自分の考えを伝えられます。それが良い意味でのギャップとなっています。
今後の働き方について教えてください。
<廣瀬>
薬剤師でないとできないことをもっとやっていきたいと思っています。
そのためには日々の業務を大切にして、少しずつ成長をしていこうと考えています。
<渡邉>
私は基本的に現場が好きなので、今後も現場の薬剤師として働いていきたいと考えています。自分の性格上、管理系の仕事は向いていないと思っていますので笑。
ぶっちゃけこの業界で働いてみないとわからないことは何でしょうか?
<渡邉>
OTC医薬品の利益率の高さですね。
正直OTC医薬品は仕入れ値に対して売値が相当高い商品が多いです。なので薬剤師としては、「いかにその医薬品に価値を見出して、患者さんに伝えられるか」、それが薬剤師の腕の見せ所だと思っています。
また調剤業務は外からは見えにくいため薬剤師が何をやっているかわかっていない人が多いと感じます。同じ医療業界でも「薬剤師って何をやっているの?」という人もいるくらいですからね。
今後、調剤薬局業界はどのように変化していくと思われますか?
<廣瀬>
私個人的な意見ではなく、色々な人の話を聞いた感じですが、M&Aで大手に吸収されるかされないかの二極化だと思っています。
生き残っていくためには毎日の業務を大切にやっていき、必要とされていく。そして面分業を中心にOTC販売や薬の相談も積極的にやっていく必要があるかと思います。
地域の方々に「あの薬局は潰さないで」と言ってもらえるような薬局を作れれば、それだけで差別化され、価値が生まれるかと思います。
<渡邉>
私も廣瀬先生と同じ意見ですね。
例えば大手調剤薬局でさえ全薬局の中でも数%しかありません。門前薬局は多いですが、昨今は面で受けている部分も多いです。
今後は門前ではなく地域に密着することで薬局を経営できていくのが大切であり、如何に地域に密着していけるのかが大事だと思います。
そのためには健康に関する情報を発信して、地域に密着してくことが大切だと思います。
処方箋を受けるだけでなく地域密着の薬局になることができればベストかもしれませんね。
この業界で仕事をしたいと思っている方にメッセージをお願いします。
<廣瀬>
社会人になって勉強をしているとわかるのが、「勉強をすればするほどわからないことが増える」ということです。それだけ社会人になってから学ぶことがたくさんあります。
また調剤薬局は同じ業務の繰り返しだと言われています。しかし患者さんの数だけ対応の仕方が異なり、その分違うやり方が発生します。毎日同じに見える業務の中でいかに同じではない部分を見つけていけるのかが、この業界を楽しむコツだと私は思っています。
<渡邉>
薬学生の場合は、学生の時の勉強を無駄にしないで欲しいですね。
座学でも有機化学など、薬局業務とは関係なさそうな勉強でも、それを利用して患者に伝えられることもたくさんあります。その知識を活用すれば他の薬剤師にはできない仕事で患者さんに貢献することができると思います。
中途で調剤薬局を考えている方は、患者さんと深く関わることを怖がらないで欲しいですね。調剤薬局で在宅業務をするということは、患者さんとの距離感がかなり近くなります。その分患者さんとお話をする機会も多くなりますので、あまり怖がらずに患者さんと世間話をしながら、患者さんの悩みを聞いてあげてください。そうすれば、薬剤師の仕事も在宅業務もとても楽しいものになります。